大規模成長投資補助金とは|最大50億円・採択率・申請の流れを専門家が解説
最終更新:2026/6/14|監修:中小企業診断士・認定経営革新等支援機関
- 最大補助額
- 50億円
- 補助率
- 1/3
- 直近の採択率
- 約38.9%(第5次)
- 対象者
- 中小企業・小規模事業者等
- 公募状況
- 次回未定
- 次回締切
- 公募要領で要確認
大規模成長投資補助金は、国内で20億円以上(100億宣言企業向けは15億円以上)の設備投資を行い、従業員の賃上げを継続的に実現する中堅・中小企業を支援する経済産業省の補助金です。補助上限額は50億円、補助率は原則1/3以下。第5次公募では「100億宣言企業向け」類型が新設されました。補助事業期間は交付決定日から最長で令和10年12月末までとされています。申請締切日等の具体的な日程は公募要領で必ずご確認ください。
1. 補助額・補助率:最大50億円、原則1/3以下
補助上限額は50億円で、補助率は1/3以下です。ただし、申請書内で補助率1/4の適用を許容すると明記した事業者については、本来の採択水準に満たない場合でも追加採択される可能性があります。この場合でも、申請時に掲げた賃上げ目標の達成は引き続き必須要件となります。補助率1/4適用を希望する場合は、申請様式2への明記が必要です。
2. 補助対象者:従業員2,000人以下の国内企業
日本国内に本社および補助事業の実施場所を持ち、常時使用する従業員が2,000人以下の会社・個人等が対象です。会社・個人以外の法人でも、収益事業に関する補助事業であれば対象となり得ます。ただし、大企業の子会社など「みなし大企業」に該当する場合は補助対象外となります。詳細な判定基準は公募要領でご確認ください。
3. 補助事業の2大要件:投資額と賃上げ
①【投資額要件】税抜きの補助対象経費(外注費・専門家経費を除く)が、一般企業向けは20億円以上、100億宣言企業向けは15億円以上必要です。複数地域への投資も対象ですが、事業の目的・内容が一体的であることが求められます。②【賃上げ要件】補助事業終了後3年間にわたり、補助事業に関わる従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が基準率(4.5%以上)を達成することが必要です。未達成の場合は達成率に応じた補助金返還が求められます。賃上げ率の詳細は公募要領でご確認ください。
4. 第5次の新設類型:100億宣言企業向け
第5次公募から「100億宣言企業向け」類型が追加されました。この類型で申請するには、申請時点で100億宣言ポータルサイトに申請者の宣言が公表されていることが必要です。一般企業向けと比べて投資額の下限(15億円以上)が緩和されています(賃上げ基準率は4.5%以上で一般企業向けと共通)。100億宣言の登録・公表手続きは別途必要なため、早めの対応が重要です。
5. コンソーシアム(共同申請)での参加も可能
中堅・中小企業を中心とした10者以下のコンソーシアム形式での申請が認められています。参加条件として、①一般企業向けなら投資額10億円以上(100億宣言向けは7億5,000万円以上)の中堅・中小企業を1者以上含むこと、②連携による一体的な大規模投資計画の策定、③全参加者が賃上げ要件を満たすことが必要です。幹事企業が全体の成長投資計画書をまとめて提出しますが、参加者に1者でも要件を満たさない事業者がいると、コンソーシアム全体が不採択となる点に注意が必要です。
6. 補助対象外となる主な経費
以下は補助対象外です。販売目的製品の生産に係る機械装置以外の経費、売電目的の再生可能エネルギー発電設備、家賃・光熱水費・通信費などの間接経費、汎用性のある事務用パソコン・タブレット・3Dプリンターなど、関連税制(地域未来投資促進税制・中小企業経営強化税制等)の適用を受ける設備、自社人件費、親子会社間・同一代表者が含まれる事業者への支払い、などが該当します。補助対象経費の最終確認は交付申請時に行われるため、採択後も全額が補助されるとは限りません。
7. 採択後の主な義務:公表・報告・財産管理
採択事業者には複数の義務が課されます。①交付決定から原則1か月以内に採択された旨・目標賃上げ率・投資規模をプレスリリース等で対外公表すること(未公表の場合は交付決定取消)、②事業に影響するリスク(倒産リスク・賃上げ未達見込み等)が判明した際の速やかな報告、③単価50万円(税抜き)以上の取得財産は処分制限期間内に無断処分不可。違反した場合は補助金返還や不正内容の公表が行われることがあります。
採択率の推移
| 回次 | 公表日 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 |
|---|---|---|---|---|
| 第1次 | 2024年6月21日 | 736件 | 109件 | 14.8% |
| 第2次 | 2024年10月15日 | 605件 | 55件 | 9.1% |
| 第3次 | 2025年6月30日 | 229件 | 116件 | 50.7% |
| 第4次 | 2025年10月10日 | 210件 | 109件※ | 51.9% |
| 第5次 | 2026年5月18日 | 198件 | 77件 | 38.9% |
※ 採択件数は採択者一覧からの推定値(公式発表値は要確認)。
直近(第5次)の内訳
第5次公募では198者の申請に対し77者が採択された。採択者の中央値では全社年平均売上高成長率21%/年、全社賃上げ予定率2.5%、年平均従業員目標賃上げ率7.0%/年、補助金額に対する付加価値増加額割合213%など、申請者全体と比較して高い水準の指標を示した事業者が選ばれている。
- 採択者(n=77)の全社年平均売上高成長率の中央値は21%/年で、申請者全体(n=198)の20%/年をわずかに上回り、成長実績の高い企業が採択される傾向がみられる。
- 採択者の全社賃上げ予定率中央値は2.5%で、申請者全体の2.3%より高く、賃上げへのコミットメントが採択の一因となっている可能性がある。
- 年平均従業員目標賃上げ率の中央値は採択者7.0%/年・申請者全体6.5%/年と、採択者の地域波及効果の見込みがより大きい。
- 補助金額に対する付加価値増加額割合の中央値は採択者213%・申請者全体171%であり、採択者は費用対効果の高い計画を示している。
- 補助事業年平均売上高成長率(22%/年)および補助事業年平均労働生産性の伸び(21%/年)の中央値は採択者・申請者全体で同水準であり、先進性・成長性の指標では両群の差は小さい。
- ローカルベンチマーク得点の中央値は採択者・申請者全体ともに23点と同一であり、財務健全性単独では採択の差別化要因になっていないことが示唆される。
※ 採択率は公募回ごとに変動します。最新の数値は公募要領・事務局公表をご確認ください。
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よくある質問
Q.申請締切はいつですか?
第5次公募の具体的な受付・締切日程は公募要領に記載されています。本記事執筆時点では日程の詳細を確認できないため、必ず事務局サイト(野村総合研究所)または公募要領で最新情報をご確認ください。
Q.補助事業期間はいつまでですか?
交付決定日から最長で令和10年(2028年)12月末までとされています。ただし、実際の期間は交付決定のタイミングによって異なります。
Q.賃上げ目標を達成できなかった場合はどうなりますか?
未達成率に応じて補助金の返還が求められます。ただし、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還が求められないケースもあります。返還リスクを踏まえ、実現可能な賃上げ目標を設定することが重要です。
Q.複数の都道府県に投資する場合も対象になりますか?
投資場所が複数地域にわたる場合も対象となります。ただし、補助事業の目的・内容が一体的であることが必要です。分散投資の場合は計画書でその一体性を明確に説明する必要があります。
Q.100億宣言とは何ですか?申請前に登録が必要ですか?
100億宣言は、売上高100億円規模への成長を目指す企業が宣言するポータルサイト上の制度です。100億宣言企業向け類型で申請するには、申請時点でポータルサイトに宣言が公表されていることが条件です。登録手続きには時間がかかる場合があるため、早めの対応が必要です。詳細は公募要領でご確認ください。
Q.コンソーシアムの幹事企業は何を担いますか?
幹事企業は補助対象要件を満たす必要があり、全参加事業者の成長投資計画書を1つにまとめて提出します。また、幹事企業以外の提出書類も締切までに幹事企業が取りまとめて提出します。参加者に要件未満の事業者が1者でもいるとコンソーシアム全体が不採択となるため、構成メンバーの要件確認が不可欠です。
Q.採択されれば補助金は必ず満額もらえますか?
採択はあくまで補助金交付候補者としての選定です。補助対象経費の精査は交付申請時に改めて行われるため、申請時に計上した経費がすべて補助対象になるとは限りません。また、賃上げ要件の未達成があった場合は補助金の返還が求められます。採択は交付・支給を保証するものではありません。
Q.この解説内容はいつまで有効ですか?
本制度は公募回ごとに要件・金額・締切が変更される場合があります。また、2026年度以降は制度統合の可能性もあります。必ず最新の公募要領および事務局サイトで最新情報をご確認の上、申請手続きを進めてください。
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公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/6/14